カナダつれづれ

カナダ在住約40年の筆者がつづる生活情報
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旅:〈ポルトガル編5〉民衆の心の叫びを歌で伝える「ファド」、その魅力にひたる

私がポルトガルへ行きたい、と思った大きな理由のひとつは本場の「ファド=Fado」を聴きたかったからです。昨年は不覚にも予定していた夜、ポルトを飲み過ぎて寝てしまい、チャンスを逃してしまいました。今年は何としてもファドを聞かねば帰ることができない、と強い決心をしていました。問題は、フラメンコと同様、どこでも夜9時過ぎから始まることです。

 

さて、ファドとはいったいどんなものでしょう。私が初めて聴いたのはたしか10年近く前、NHKの旅番組でリスボンの下町の居酒屋で歌っていたファドでした。スペインのフラメンコの歌のように人生の苦しみや淋しさをしぼり出すように歌っていました。日本の民謡、フランスのシャンソン、アルゼンチンのタンゴなども共通すると思います。

 

ただ、ファドは本来、歌手が歌うものではなく、近所のおばさんやおじさんがそれぞれの思いを歌ったものだそうです。リスボンにはそういう庶民のファド居酒屋もあるようですが、今回は、リスボンで一番(特に外国からの観光客に)人気のある「クルベ・ド・ファド(Clube de Fado)」に行きました。

 

 

▲クルベ・ド・ファドの入り口(カテドラルの裏)  ▲左端がオーナーのマリオ・パシェーコ氏。中央がファド歌手

 

クルベ・ド・ファドのオーナー、マリオ・パシェーコ氏はポルトガルでも有名なギタリストで、日本に公演に行ったこともあるそうです。そのため、日本人のお客も多いようです。私が行った日は、たまたま日本人らしきお客はいませんでしたが・・・。

 

店内は1階と2階に分かれ、1階は広いレストランになっていて食時をしながらファドを聞くようになっています。食時は夜8時からです。ファドが始まるには9時半ころからです。ファドだけ聞く場合は10時半からで、ドリンク+ショーチャージ約8ユーロです(食時を取る場合はショーチャージはありません)。

 

私たちは前日に予約をして食時とファドを楽しみました。当日はとても暑かったので、サングリアの冷たいのを1リットル注文しました。バーテンダーが作るのを見ていましたが、ただフルーツと赤ワイン、炭酸ソーダを入れて混ぜるだけではなく、ラムやコワントローなど5種類ほどのリキュールを少しずつ混ぜていました。「これがボクのスペシャル・サングリアです」と。さすが今までで一番美味しいサングリアでした(値段は1リットルで20ユーロ=約30ドル)。

 

 

▲店内はお客でいっぱい               ▲男性ファド歌手(中央)はカンツォーネ風でした

 

週日にもかかわらず店内は満員でした。予約なしではとても入れません。お客は世界各国から来ていました。私たちのとなりはブラジルから来た大家族でした。

ファドはまずは女性の歌手、オーナーのポルトガルギター、ベース、ギターの4人の演奏で始まりました。まだ若い女性でしたが、心の底から出るうめくような歌声がじ〜んときました。初めて本物を聴いた感動はいつまでも頭の奥に残っています。第2部は男性の歌手でした。もともとファドは女性の歌手が多いそうです。男性の歌手はちょっとカンツォーネのようで声はすばらしかったですが、ファド本来の心の叫びが少し欠けていたような印象を受けました。

 

クルベ・ド・ファド(Clube de Fado)のインフォメーションは、

www.clube-de-fado.comを参照してください。

 

▲ファーロの旧市街内のレストランで歌うファド歌手

 

リスボンから汽車で3時間半ほど南に下ったファーロ(Faro)というところでもファドを聞きましたが、リスボンと比べるとやはり劣ります。土地柄なのか悲痛な叫びより明るい歓喜のファドが多かったです。その歌手が言うには「ファドは悲しみだけを歌ったものではなく、明るい楽しい歌もあるのです。フランスのシャンソンだってそうでしょ?」ですって。

 

今回はプロの歌手のファドを聴きましたが、またチャンスがあれば下町のおばちゃん連中が歌うファド酒場にいってみたいと思いました。(6月6日、ノンちゃん)

 

 

 

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