カナダつれづれ

カナダ在住約40年の筆者がつづる生活情報
<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
アート・文芸:新刊紹介「カナダの歴史を知るための50章」細川道久編著

先住民、仏・英植民地、国家の自立、戦後の発展、移民、日加関係


 

カナダの歴史および英帝国コモンウェルスの歴史研究家として知られる鹿児島大学教授、細川道久氏が、カナダ連邦結成150年にちなんで、この8月10日、編著書「カナダの歴史を知るための50章」を明石書店から出版しました。

 

細川氏は、今までに何度もカナダに足を運び、現場取材をするとともに歴史資料などを収集。「カナダの自立と北大西洋世界─英米関係と民族問題」(2014年、刀水書房)、「『白人』支配のカナダ史─移民・先住民・優生学」(2012年、彩流社)、「はじめて出会うカナダ」(共著、2009年、有斐閣)、「多文化主義社会の福祉国家─カナダの実験」(共著、2008年、ミネルヴァ書房)、「カナダの歴史がわかる25話」(2007年、明石書店)、このほか多くの本を著しています。また、訳書も多数あります。

 

このたびの新刊「カナダの歴史を知るための50章」は、10年前に上梓した「カナダの歴史がわかる25話」より、さらに深く踏み込んだとらえ方を披露しています。それぞれのテーマを取り上げるにあたり、細川氏自身と27名の中堅若手研修者の執筆をまとめ、編纂してあるので、さらに読者の興味をそそる内容となっています。

 

本書では、世界の歴史のうねりの中で変貌を遂げるカナダを、〈総論〉、〈通史編〉、〈テーマ編〉という3部構成に仕立ててあります。全部で50の章にわたって詳細に解説されており、中身の濃い内容となっています。それぞれの章は独立しているので、どこから読んでも構わないそうです。

 

〈総論〉では、世界のなかのカナダという観点から、カナダ史の特徴・魅力、カナダの地勢、多元社会カナダの特質について述べています。

 

〈通史編〉では、先住民の到来から今日までの重要な出来事を、(1)先史時代からフランス植民地時代、(2)イギリス植民地時代、(3)国家の自立への模索、(4)第二次世界大戦後の発展、と四つの時期に分けて、わかりやすく解説しています。

 

〈テーマ編〉では、カナダ社会と移民・先住民、カナダと日本(日加関係)という二つのテーマを扱っています。とくに「カナダと日本」の部では、日本人あるいは日系人に関係の深い出来事がたくさん登場してきます。

初期の日本人移民、ヴァンクーヴァー暴動とルミュー協定、激動する世界に翻弄された日本とカナダ、第二次世界大戦と日系人強制移動、鉄条網なき強制収容所、野球チーム「ヴァンクーヴァー朝日」、そして、戦後の日系人補償問題リドレス、日加経済関係の変遷、さらに、太平洋の架け橋としての今日の日加交流・・・。どれを取っても関心が引き寄せられる話題です。

 

読後、カナダの歴史に興味がわいてきて、もっと知りたいという人には、巻末の「カナダの歴史を知るためのガイドブック」でカナダ研究家によるそれぞれのカナダ関連著書(日本語)が一覧表で紹介されています。

また、11世紀ヴァイキングのニューファンドランド到来から2016年ジャスティン・トルドー首相の駒形丸事件に対する謝罪まで、カナダの歴史を詳細に記述した貴重な年表も付いています。

 

細川氏は、「カナダの魅力は、カナディアン・ロッキー、ナイアガラ滝、メイプル街道、赤毛のアン、アイスワインだけではないのです。歴史を知れば、もっとカナダを深く理解することができますし、地域や民族の多様さを立体的に実感できると思います」と述べています。

 

さあ、本書をひもといて、カナダの歴史の旅へ、あなたも出発してみませんか?

 

■カナダの歴史を知るための50章

 細川道久 編著

 明石書店

 定価 2,000円+税

 

(8月27日、色本信夫)

スポンサーサイト
- | 00:00 | - | - |

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.