カナダつれづれ

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コミュニティーニュース:中山総領事離任

中山泰則トロント総領事、3年の任期終え離任

 

トロントの中山泰則総領事は、2014年9月に着任して以来、3年にわたる任務を終え、このほど、辞令により帰国することになりました。次の任務先については、帰国後に辞令が出るとのことです。

 

▲中山泰則総領事と千鶴子夫人(9月15日、公邸で開かれた送別会にて)

 

 

後任のトロント総領事は、伊藤恭子(いとう・たかこ)氏。1010日に着任する予定です。

 

(9月16日、色本信夫)

トピックス: 「Gateway to Promise」翻訳出版記念ブックトーク、JCCCで開催

英語版著者夫妻、翻訳チームのサンダース宮松敬子さんら

日系人の歴史や出版のいきさつを興味深く語る

 

 

カナダの日系史「Gateway to Promise - Canada's First Japanese Community (2012年初版、2017年改訂版)」の日本語版が今夏発行されました。邦訳タイトルは「希望の国カナダへ・・・夢に懸け、海を渡った移民たち−ブリティッシュ・コロンビア州から始まった日系史」です。

 

これを記念し、9月6日と9日、2回にわたってトロントの日系文化会館(JCCC)でBC州ビクトリアから来訪の原作著者で歴史家のゴードン&アンリー・スィッツアー夫妻と翻訳プロジェクトを推進したフリーランス・ジャーナリストのサンダース宮松敬子さんによるブックトークが開催され、多くの人が参加、盛況でした。

 

今回のブックトーク開催に当たってはトロント在住のコズロブスキー阿部美智子さんをはじめ、「ウインフォード・シニア・グループ」「エッセイクラブ華やぎ」など多くの方々が協力されました。

 

 

▲日系博物館でのスィッツアー夫妻によるトーク風景(9月9日) ▲文中には写真が多く掲載されている

 

まずは英語版「Gateway to Promise」の著者、スィッツアー夫妻が映像とともにこれまであまり知られていなかったビクトリアでの日系人の歴史を興味深く語りました。

 

歴史家のゴードン・スィッツアーさんは、3歳から20歳まで父親の仕事の関係で日本に暮らした経験から日本の歴史に大いに興味を持っていました。また夫人のアンリーさんもニューヨークで子供時代を過ごし、日本的なものに興味を持っていたそうです。

夫妻が11年前、ビクトリアに移り住むことになって、日系コミュニティーとかかわり合いを持つようになり、ビクトリアでの日系人の重要な歴史があることを知りました。これまでBC州の日系人史といえばバンクバーに重点を置かれていたからです。「これはぜひ記録としても残して置かねば・・・」という信念から膨大な調査が始まったのです。

 

初期の日本とカナダの関係、ビクトリアの日本人 コミュニティーの形成、発展、生活、職業、教育、人口構成、カナダ人社会とのかかわり合いなどについて、当時を知る人々の証言、市や政府、教会や図書館のアーカイブから記録を丹念に掘り起こして書き上げ、日系史「Gateway to Promise」が2012年に初版が出版されました。当初100ページくらいの予定だったのが400ページにもなっています。

 

サンダース宮松敬子さん「翻訳の使命感からプロジェクトをスタート」

40年以上住んでいたトロントから、約3年半前、ビクトリアに移り住んだサンダース宮松敬子さん。「もともと夫がバンクーバー出身だったので、いつかは西部の方で住むことになるかな・・・と考えていました。結果的に気候がよく自然の美しいビクトリアに住むことになったのです」

「ビクトリアに移って日系コミュニティーとかかわりあい、また日系社会の歴史をめぐっていくうちに知らなかったことが多いこと、ビクトリアと日系人とのつながりの深さに圧倒されました。さらにスィッツアー夫妻に出会い、この本を読んで、どうしても日本語にして残さなくてはならないという使命感から、この翻訳出版プロジェクトがスタートしました」

 

 

▲ゴードン&アンリー・スィッツアー夫妻    ▲サンダース宮松敬子さん(左)と校正などに尽力したヒル厚子さん

 

この翻訳出版プロジェクトには、16名の翻訳者を含む20名以上の新移住者が協力して翻訳・校正を担当しました。スタートから2年近くを経て今年夏に日本語版が出版されたのです。

 

日本語版は約440ページにもなり、200点ほどの写真が挿入されています。本書はビクトリアの日系人の歴史を物語ると同時にカナダにおける日系人の歴史も知ることができます。戦後移住者にとって、先人の歩んで来た道を知ることができる絶好の書でもあります。

 

たくさんの協力者がいたとはいえ、翻訳出版プロジェクトを完成させたサンダース宮松敬子さんの苦労は計り知れないものと思います。本当にご苦労さまでした。

 

〈本の購入方法〉

「希望の国カナダへ・・・夢に懸け、海を渡った移民たち−ブリティッシュ・コロンビア州から始まった日系史」

◎価格/英語版・日本語版ともに$29.95+送料(地域によって異なるので下記へ問い合わせを)

      Eメール:k-m-s@post.com(サンダース宮松敬子)

    Eメール:j.hashimoto@sympatico.ca(日系関連の本を販売しているジェニファー・ハシモト)

   

*トロントの日系文化会館(JCCC)売店&ヒロコ・バラル・ルームでも購入できます。

 

(9月11日、ノンちゃん)

トピックス | 00:46 | - | - |
トピックス:メルラストマン広場「ヒスパニック祭り」9月1日〜4日

トロントで楽しめる中南米カルチャー

 

今年で36回目を迎えた「ヒスパニック祭り」が9月1日から9月4日(レイバーデー)まで4日間、トロント市ノースヨークのメルラストマン広場で開催されています。中南米出身の人たちをはじめ多くの市民が参加し、まさにトロントのマルチカルチャリズム(多様文化主義)を感じさせてくれています。

 

2日(土)の夕方、数年ぶりに「ヒスパニック祭り」に出かけてみました。会場は主に中南米の人たちが大勢集まっていて、フードコートはメキシカン料理、コロンビア料理をはじめラテンの香りが漂って食欲をそそります。

 

 

▲メキシコの民族ダンス                  ▲マリアッチの音楽に合わせて男性のダンスグループ

 

 

▲エスメラルダ・エンリケさん(中央)のフラメンコダンスグループ ▲ベネズエラの民族ダンスグループ。子供たちも登場

 

野外ステージの舞台ではマリアッチ、中南米各国の民族音楽&ダンスが披露されました。午後7時からは特別出演として、トロントでフラメンコスクールを主宰している Esmeralda Enrique(エスメラルダ・エンリケ)さんがスクールのメンバーたちとフラメンコを踊り、観客の拍手喝采をあびました。(3日の午後7時からも出演します)

 

また、広場には各国の工芸品ブースが並び、中南米の文化を総合的に紹介しています。この祭りに参加して、改めてトロントにはヒスパニック系の人たちが多いこと、決してハッピーな祖国ばかりでない事情にもかかわらず伝統文化をつないで行こうとする努力に感銘を受けました。(入場無料。地下鉄ノースヨークセンター駅下車)

 

www.hispanicfiesta.com

 

(9月2日、ノンちゃん)

 

 

 

 

 

トピックス | 22:51 | - | - |
アート・文芸:新刊紹介「カナダの歴史を知るための50章」細川道久編著

先住民、仏・英植民地、国家の自立、戦後の発展、移民、日加関係


 

カナダの歴史および英帝国コモンウェルスの歴史研究家として知られる鹿児島大学教授、細川道久氏が、カナダ連邦結成150年にちなんで、この8月10日、編著書「カナダの歴史を知るための50章」を明石書店から出版しました。

 

細川氏は、今までに何度もカナダに足を運び、現場取材をするとともに歴史資料などを収集。「カナダの自立と北大西洋世界─英米関係と民族問題」(2014年、刀水書房)、「『白人』支配のカナダ史─移民・先住民・優生学」(2012年、彩流社)、「はじめて出会うカナダ」(共著、2009年、有斐閣)、「多文化主義社会の福祉国家─カナダの実験」(共著、2008年、ミネルヴァ書房)、「カナダの歴史がわかる25話」(2007年、明石書店)、このほか多くの本を著しています。また、訳書も多数あります。

 

このたびの新刊「カナダの歴史を知るための50章」は、10年前に上梓した「カナダの歴史がわかる25話」より、さらに深く踏み込んだとらえ方を披露しています。それぞれのテーマを取り上げるにあたり、細川氏自身と27名の中堅若手研修者の執筆をまとめ、編纂してあるので、さらに読者の興味をそそる内容となっています。

 

本書では、世界の歴史のうねりの中で変貌を遂げるカナダを、〈総論〉、〈通史編〉、〈テーマ編〉という3部構成に仕立ててあります。全部で50の章にわたって詳細に解説されており、中身の濃い内容となっています。それぞれの章は独立しているので、どこから読んでも構わないそうです。

 

〈総論〉では、世界のなかのカナダという観点から、カナダ史の特徴・魅力、カナダの地勢、多元社会カナダの特質について述べています。

 

〈通史編〉では、先住民の到来から今日までの重要な出来事を、(1)先史時代からフランス植民地時代、(2)イギリス植民地時代、(3)国家の自立への模索、(4)第二次世界大戦後の発展、と四つの時期に分けて、わかりやすく解説しています。

 

〈テーマ編〉では、カナダ社会と移民・先住民、カナダと日本(日加関係)という二つのテーマを扱っています。とくに「カナダと日本」の部では、日本人あるいは日系人に関係の深い出来事がたくさん登場してきます。

初期の日本人移民、ヴァンクーヴァー暴動とルミュー協定、激動する世界に翻弄された日本とカナダ、第二次世界大戦と日系人強制移動、鉄条網なき強制収容所、野球チーム「ヴァンクーヴァー朝日」、そして、戦後の日系人補償問題リドレス、日加経済関係の変遷、さらに、太平洋の架け橋としての今日の日加交流・・・。どれを取っても関心が引き寄せられる話題です。

 

読後、カナダの歴史に興味がわいてきて、もっと知りたいという人には、巻末の「カナダの歴史を知るためのガイドブック」でカナダ研究家によるそれぞれのカナダ関連著書(日本語)が一覧表で紹介されています。

また、11世紀ヴァイキングのニューファンドランド到来から2016年ジャスティン・トルドー首相の駒形丸事件に対する謝罪まで、カナダの歴史を詳細に記述した貴重な年表も付いています。

 

細川氏は、「カナダの魅力は、カナディアン・ロッキー、ナイアガラ滝、メイプル街道、赤毛のアン、アイスワインだけではないのです。歴史を知れば、もっとカナダを深く理解することができますし、地域や民族の多様さを立体的に実感できると思います」と述べています。

 

さあ、本書をひもといて、カナダの歴史の旅へ、あなたも出発してみませんか?

 

■カナダの歴史を知るための50章

 細川道久 編著

 明石書店

 定価 2,000円+税

 

(8月27日、色本信夫)

コミュニティーニュース:トロントの裏千家・新宗楓(新照子)さん外務大臣表彰

 

40年以上にわたりカナダで「茶道の精神」普及に貢献

 

裏千家淡交会トロント協会の茶道指導者、新宗楓(しん・そうふう=新照子)さんが外務大臣表彰状を受賞しました。

 

その授与式が8月16日、トロント総領事公邸で行われ、新さんの親族、お弟子さん、関係者たちなど多数が出席しました。中山康則総領事から外務大臣表彰状(7月6日付、岸田文雄外務大臣)を贈られた新さんは、「私がカナダに来た頃は茶道どころか日本のこともあまり知られていませんでした。これまでこうしてこられ、賞をいただくことができたのも周りの皆様のおかげです」と感謝のことばを述べました。

 

  

▲外務大臣表彰状を手にする新宗楓さん。右は中山総領事 ▲乾杯の音頭をとる裏千家学園講師の星野宗裕さん(右)

 

新さんは1976年以来、40年以上にわたって、「和敬清寂」をモットーに裏千家茶道の指導にたずさわってきました。本格的な茶室を備えたトロント・ノースヨークの自宅や日系文化会館で指導をするとともに、カナダ各地、米アラスカまで足を運び、大学生に講演を行うなど精力的に茶道の普及に努めてきました。

 

授賞式には京都の裏千家学園講師の星野宗裕(ほしの・そうゆう)さんもお祝いに駆けつけました。星野さんは昔、京都で新さんがお茶の修業をしていた当時の師匠だったそうです。祝辞で「私たちは師弟の域をこえた同志でもありました。新さんの一期一会の精神、日系人やカナダ人に、わびさびの精神を伝えた功績は大きいと思います」と語りました。

 

多くの出席者たちに祝福された新さんは、今年88歳。高齢にもかかわらず、元気いっぱいで今後もお茶の心を広めていくことでしょう。

 

(8月17日、ノンちゃん)

 

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